……あ、あんな…鎖骨を甘咬みして、舐められるなんて。


はじめてが多すぎて、困ってしまう。


っちがう、あれは味見なんだ。


深月くんは契約って言ったけど、それは本当に信用できるの?


だって…昨日みたいに、その気になれば私は食べられてしまうから。



もしかして、そのための昨日…?


心臓の音がどくん、と一度大きく響いて、昨日の私と答え合わせをする。


彼は、ケーキである私を憎らしく思っている、はず。


だけど、気のせい?


あのときの顔は、なんだか寂しそうに見えたの。


飲み込まれそうな黒のなかに、目にしたことがない悲痛な色を滲ませていた。


もう、何がなんだか分からない。深月くんの考えていることも、私がどうしたいのかも。


……さては深月くんに遊ばれてる?



「……ううむ……」


「え、ほんとに大丈夫なんだよね?」


「んん……」




罠に嵌まったように、ずっと彼のことしか考えられない。