ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーー



「…よし、できた」



ごくり、喉をならす。


これならきっと大丈夫、そう思って玄関を開けたら、



「おはよー……って、は?」


「……おはよう深月くん…」



待ち構えていたように、アパートの柵にもたれ掛かっていた彼。


もう驚かないことにする。


だけど、そう決意した私とは対称的に深月くんは目を見開いている。


と、思ったら次は呆れたように目を伏せた。


はあ、とため息をつかれた後、一気に距離をつめられる。



「ーー…っわ、ちょ…っ」


「お前何してんの?こんなでっかいフード被って」



いきなり頭に手を置かれたと思いきや、バサリと思い切りフードを外された。


色は、黒。被っている人の顔がすっぽり隠れるくらいのもの。



視界が一気に明るくなれば、今度は私の顔を見て呆れていた。