ほんっとむかつく。朝から恥かいた。

隣のおばさんからの視線は痛いし子供達にはくすくす笑われるし…もう最悪!

思い出すだけでイライラする!

「あれーゆり。また葉月にやられたな?」

学校に着くなり早速ゆきにはバレる。

相当顔に出ていたらしい。

そんな私をゆきはいつも笑う。

「ウケる。いつもの事じゃん。本当騙されやすいな〜」 

これがお決まりのルーティンだ。

「え、いや、責められるべきは私じゃなくて、、」

「だってもう何回目?あいつなんて嘘しか言わないじゃん。」

嘘"しか"…

その言葉がぐっと刺さる。

私達はいつもふざけて。葉月が私をからかって。私が気分を悪くして終わる。

本当、嫌な奴。

まともに会話をしたり、遊んだりもしない、ただからかわれるだけ。

別に好きでも嫌いでもないし、普通に仲良くしてる、けど。

葉月は私のこと、嫌いなんだろうか。

こんな友情って、何なんだろう。

兄妹みたいといえば、そうなのかもしれない。

ま、どうでもいいか。

「…お~い、ゆりー」 

気付いたらゆきが私の前で手を振っていた。

また、やってしまった。

私は何でも考えすぎる癖がある。

そのせいで周りからは『不思議ちゃん』と呼ばれる羽目に。

「また、ゆりワールドにはいってたみたいだね。」

「ごめん、ちょっと考え事。」

「知ってる。」

そう言ってふっと笑った。

「早く教室行こ。」

「うん、そうだね。」

私達は腕を組んで教室に向かった。