きっと間抜けな顔をしているだろう俺に、


「……私、です。愛華だよ、流星」


もう一度、確信を持って言い直した愛華。


———夢じゃ、ない……ッ。…ほんと、に愛華は、ここに、俺の目の前にいるッ!!



「……ッッ」


そう脳が受容した瞬間、顔が、表情が歪んだのがハッキリと分かった。

嬉しくて、泣きたくて、でも愛華の心を思うと、思い出すと辛くて。

そんな、ぐちゃぐちゃになった感情が、表情の歪みとなって表れた。




「あい、か……さま。ほんとう、に??」

震える声で、“様”とギリギリで付け足して、確信をもって問いかける


「……うん」


ああ、愛華だ。愛おしくてたまらない、愛華様、貴方だと。

先程までの動揺が嘘のように、その事実が心にスッと入ってきた。


その途端、


「愛華っっ!!逢いた、かった…本当に。
ずっっと!!!!お待ちして、おりました…」


数年前から止まっていた心が動き出した。

心の叫びが、悲鳴が、声となって溢れた。

初めて、いや2回目となる、本人に“愛華”と呼び捨てにしてしまったことに気づかないほどに。