俺は今日、昼休みの時間に学校に来た。いつもどおり授業をサボる気だった訳で。
あんなくだらない授業、受けても意味ないしな…

だから、サボり場所かつ“溜まり場”であるあの空き教室に向かった。だいぶ早歩きで。




向かった、ということは良いものの、着くまで——正確に言えばあの空き教室ゾーンに着くまで——にパンダギャルや優等生の見た目した女が群がってくる。


「「「「キャァァーーー!!!!」」」」


チッ、うるせぇな…。

舌打ち1つでも更に騒ぐことはだいぶ前に学んだため、不本意ながら心中だけで嫌悪感を吐き捨てる。


「流星様よ!!」
「今日もなんて美しいのかしら…。カッコいいという言葉すら似合わないほどの美男子だわ……」
「彼女にしてくださぁ〜い!!」

……ゴミ、カス、クズ?いやそれ以下か。

舌打ち1つでも更に騒ぐ…(以下略)。



そしてやっとクズ以下ゾーンを抜け、一息ついた。

コツ、コツ…という自分の足音が古びた廊下に響く。


やっと着くか…と思った、その時、だった










——焦がれ焦がれ、ずっっと、何よりも俺が求めていた存在が、視界に入ったのは。





——愛おしくて愛おしくて、何よりも見慣れた背中が、視界に入ったのは。