“あのこと”があったのに、まさか日本に帰ってくるなんてな……。“アイツ”と会ったらどうなるか、楽しみだな…


愛華は逢いたくなさそうだが、アイツの為だ、仕方ない。ごめん、愛華。





『バイバイ、理人兄』

『愛華!!!!アイツはどうするんだ⁉︎』

『………さよならだね、——とも。』


愛華と、





『っっ愛華!!!!どこだ⁉︎⁉︎⁉︎』

『…………。』

『ま、さか……。愛華はどこへ行った⁉︎⁉︎答えろ、理人!!!!!』


ーー。






『愛華の席はあの窓側の後ろの席だよ。あそこで大丈夫?』

あの瞬間、緑川理人は熟慮断行した。



2人の幸せを願う緑川理人を、春風が優しく吹き抜けた————