驚き、が1番だった






あのバカ正司(※理事長)に呼び出されて、理事長室に着いたら愛華が目に飛び込んできて。久しぶりに、驚きを感じた瞬間だった。あまりに驚きすぎて数秒固まっていたと思うが、それを正司に見られたのは失敗だったと今後悔している


……それはともかく、愛華が“帰ってきた”ことに驚いた“俺”は、その事実を飲み込んで

—————とてつもない嬉しさを感じた。





帰ってきた愛華は前よりも綺麗になっていて、心配に襲われた。猿共(※不良男子生徒)が惚れるではないか、パンダ共(※ギャル女子生徒)にやっかみを受けないか、と。


そんな心配を顔に出さないように気をつけて愛華と話すと、見た目はいい意味で変化していた愛華は、目に見えて“僕”に懐いてくれていた。前と同じように。

そう分かったとき、嬉しさと同時に危機感を覚えた。これはさっきの心配が現実になりかねない、と。こんな風に懐かれると、誰でも堕ちる。性別関係なく。


だが——————