ガラガラッ


扉を開けると、口元に笑みを浮かべて私を待つ理人兄が1番に目に入った。早く行かないと!
スタスタと、早歩きで教壇へ急ぐ。で、理人兄の横に立つ


「皆さん、この子が編入生です。愛華、自己紹介してくれる??」

うん…、と返事をするものの、何を言えばいいものか。よく分からないけどしよー

「花園愛華。よろしく」

……ザワザワ

え、なになに?さっきからこのクラス不思議すぎてヤバいかも……


「はい、そういうことなので、皆さんよろしくお願いしますね」

“仲良くして”と言わないあたり、流石理人兄。大好き


「愛華の席はあの窓側の後ろの席だよ。あそこで大丈夫?」

「うん、ありがとう理人兄」

スタスタと早々に歩き、理人兄が教えてくれた席に座る

……またざわついたのには気にしないことにする。もう私には理解不能だから。
それよりも、隣も前も人がいないとこが気になる。後ろはそもそも先がないし、完全なる孤独だ。それがいいんだけどね。流石理人兄。私のことをよく分かっている


そう思いながら、理人兄の話し声をBGMに、“彼”のことを考え始めた私だった——