「ニコラ殿、その剣の腕を借りてもよいか?」
「人にものを頼む態度か、それが」

 な、なんでこんなに二人はピリピリしてるの……?
 そう私が思っているうちに話がまとまったらしく、殿下が力を貸すことに了承した。

「さあ、お仕置きの時間といくか」

 イルゼさんは不敵な笑みを浮かべた。
 隣にいた殿下に目を向けると、彼もまた少しだけ笑っていた──。