観覧車から降りた後、ねねちゃんは私たちを導いていろんな場所を見て回った。
色鮮やかなひまわりが咲き誇る花畑を見た後、遅めのランチに向かう。
話題になっていて、テレビにも出たというガーデンレストラン。
私たちは周辺が見渡せる四人がけのテラス席へと歩を進めた。

「…………」

私はメニューを見ながら、改めて春陽くんを見る。

春陽くん。今日もかっこいいな……。

春陽くんがいてくれるだけで、いつも心が温かい。

楽しい。嬉しい。
好き。大好き。
これからもずっと傍にいたい。

私の胸の中に様々な感情が押し寄せてきた。
休日のガーデンレストランは、私の心と同じで、どこか浮ついている。
周りは家族連れや仲睦まじいカップルたちだらけだ。
隣に視線を移すと、ねねちゃんも愛しそうに春陽くんを見つめていた。

ねねちゃんも、私と同じこと、思ってるのかな?

そう思ったら、否応なしに私の胸が熱くなっていく。
ふと、春陽くんがこちらを見た。
恥ずかしくなって、咄嗟に私はメニューで顔を隠す。
夏の風が吹き抜けて、私の髪をふわりと揺らしていた。

「お待たせいたしました」

運ばれてきたランチを、私たちは思う存分、堪能した。

「すごく美味しい」
「うんうん。ふわふわで、甘くて、とろけて、幸せの味がするもん」

私とねねちゃんは料理を口に入れる度に、表情に幸福を浮かべる。

「すげえ美味しいなー」

その様子を見て、春陽くんの心も温かくなったのか、幸せそうに表情をとろけさせていた。
レストランから出た後、私たちは多くの人たちが賑わっている広場へと足を向ける。
全国各地から多くの人が集まるフリーマーケットが開催されている広場では、洋服やアクセサリー、ハンドメイド雑貨などが出店していた。

「あ、はるくん、しずちゃん、見て見て。可愛い!」

ねねちゃんはパステルカラーで溢れる、小さなぬいぐるみが並ぶ店の前で足を止めた。