あ、そうだ。

「浜辺さん達には後で合流しようって言ってあるよ」

「…ふーん」

本当は2人きりで楽しんでもらいたい気もするけどね。


「合流…する?」

へ?

「したい?」

…え?


秋斗くんを見る。
いつもより細い目を流しながら私を見ている。

また、心臓が鳴く。


「二人きりにさせてあげた方がいいのかなーって」

あ、ああ。

そうだよね
そっちだよね

したい?なんて言われたから…



「このままバックれようか」

せっかく花火があがるんなら、やっぱり浜辺さん達には二人で見てほしいよね。

「そうしちゃう?」


「…でもそうすると佐倉は俺と二人になっちゃうね」

!!

心の隅で思っていたことを言葉にされて思わず肩を揺らす。


「佐倉がそれでいいなら…そうしようか」

え、まって
その聞き方…

「どうしたい?」

…ずるい。



顔が熱を持っていく感覚。
普段は髪で見えていない首の後ろまで熱を持つ。


そんなの…
私は秋斗くんが好きだから
嬉しいに決まってる。

でも…それを口に出すなんて、そんな度胸持ってないんだってば。