「あれ?あとの2人は?」

あー…

「先に行かせちゃった」

「そっか、でもその方が良かったかもね。佐倉だけ待たせてごめんよ」

「気にしないで!」

そんなに待ってないし!



と、ここで私思ってしまったのですが

これって
合法的に…秋斗くんと2人きりではないですか?

いやわざとじゃないよ?
偶然が重なっただけですけども…

でも…2人だ。2人きりだ。

どうしよう緊張する…



「俺達も行こうか」



「う、うん」

着崩れてないかな…
大丈夫だよね。

ドキドキしながら秋斗くんの隣に並ぶ。


「佐倉…浴衣なんだ」

「はっ浜辺さんに貸してもらったの」

どうかな…

「へえいいね。似合ってるよ」

にっこり笑ってそう言ってくれる。

ドキンと心臓が鳴る。


秋斗くんは優しいし、王子様みたいな人だから
きっと似合ってなくてもそう言ってくれる。


でも
それでも

嬉しい。


「えへへ」

わざと垂らした横髪を指に巻きつけて笑う。

「……」


着て来てよかった!!