「かんせーい!やば!美桜ちゃん超可愛い!」


わわ!

鏡に映った自分を見る。


綺麗なお団子に三日月のチャームがついた簪。
後毛を少し出して緩く巻いてくれてる。
前髪も大人っぽく流してあってすごく素敵。

私がやってきた苦手なメイクも少し直してくれて、自分でも嬉しくなるくらい可愛い。


「やっぱ元がいいと違うな…」

「え?」

「美桜ちゃん顔面最強だわ」

え、やだ!嬉しい!

「ありがとう!」


「ねー写真撮ろー」

「もちろん!」

スマホに映るいつもより何倍も可愛い私。
なんだか今日は頑張れる気がする。


「浜辺さん」

「んー?」

「色々ありがとう」

「全然いいよー」

にっこり笑った浜辺さんはやっぱり可愛い。





「ね、ねぇ浜辺さん」

「なーに?」


「恋するとさ、世界が180度変わったみたいにキラキラして見えるの。嘘だと思うかもだけど、本当に」

「え?」

「昨日より可愛くなろう、明日はもっと可愛くなろうって毎日が楽しくなるの。好きな人と話せただけでありえないくらい嬉しいし、頑張ってよかったって思えるの」

恋をして、人は変われる。


「女の子は恋をすると輝くんだよ。だから恋ってやっぱりすごく素敵な尊いものだと思うの」

だから、えっとつまり


「せっかく恋人になったんだからさ、彼氏が欲しいだけなんて言わずに…今日は一緒に恋する女の子になって頑張ってみない?」