そして迎えた…
テスト返却!!


「じゃあ数学のテストを返すぞー!30点未満は赤点だ。夏休みは楽しい楽しい補習があるぞー」

チラリと芽依ちゃんを見るとマナーモードかな?ってくらいバイブレーションしている。

ちょっとテストの難易度高かったもんね…



「番号順に取りに来い」

ゾロゾロとテストを受け取っては、落胆するもの、安堵するもの。


「次ー佐倉ー」


きっきた!

ちょっと緊張しながら前に出る。


「…佐倉」

私のテストを持った先生がチラリと私を見る。

な、なんだ。

「さすがだな」

にっこりと笑って満足そうに私にテストを渡した。

「ど、どうも」


点数は見ない。
あとで秋斗くんと一緒に見るからまだ見ない。

でも先生のコメント的に…多分それなりの点数は取れたのではないだろうか。

だがしかしおかし、点数を取ることがゴールではない。
あの萩原秋斗を越えなければ意味がない。



緊張したまま席に戻る。

「点数見ないの?」

「あ、あとで見る」

秋斗くんがクスリと笑って席を立った。


「次ー萩原ー」

ドキドキ…

「さすがだな」


同じこと言われてる!



平然と戻ってきた秋斗くん。

「で、では…」

「うん。いざ勝負だね」

なぜそんなに落ち着いているんだ。
こちとら冷や汗まで出てきたんだが。


「いくよ?」
「せーのっ!」