「でも佐倉が高坂より勉強できるなんてちょっと意外かも。失礼だけど」

失礼だよっ!

んだが私が勉強できるというより、芽依ちゃんが壊滅的にできないという方が近い。


「言われてみれば確かに佐倉は授業中も優秀だよね」

「えへへ」

褒められた。
えへへ。



「……ねぇ佐倉」

秋斗くんがふと高めの声を出す。

「なに?」

「勝負しない?」

へ?勝負?

勝負…
え、プロレスとかってこと?
それとも指スマ的な手頃なやつ?


「テストの点数」

あ!テストの点数?
点数勝負!?

なにそれ!え!
なにそれ!青春みたい!


「やりたっ…」

あ、まって。
それ秋斗くんとってこと?

勝ち目ある?


「…秋斗くんと?」

「当たり前じゃん。俺と佐倉で1教科点数勝負」

1教科…

1教科ならいけるか?
まず勝負に値する戦いになるか?


「秋斗くんと勉強で戦って勝負になるかな…ボロ負けしそう」

「だから過剰評価だって。俺そんなに得意わけじゃないよ。佐倉がさっき言ってたハロー効果ってやつと一緒」

えー
秋斗くんの場合は裏付けがあるじゃないのー


「やらない?負けた方は勝った方のお願いを一つ聞く。なんでも」

!!

なっなにそれ!
そんなの、そんなの…

「やる!!」