「でもなんで萩原秋斗なわけ?」

え?

「優しいって理由だけで恋に落ちるか?俺はあの嘘くさい笑顔苦手だけどなー」


何をゆーてらっしゃる!

「恋するのに理由なんてないでしょう!」

「えー?」

恋愛のスペシャリストなんでしょ?
ご存知ではないの!?


恋に理由も理屈もないでしょう!

「恋なんて気がついたら始まってるものだよ。
好きになろうと思って好きになるわけじゃないし、恋をしたいから相手を探すわけじゃない」



秋斗くんのことが好き。

そりゃ彼の全てを知ってるわけではないし
恋してるからと言って実る確証はないから不安とか嫉妬とかに常々巻かれているけど

でも
それもこれも全部ひっくるめて


「止められない感情でしょう。
優しいから好きとか、かっこいいから好きとか、私はそんは如何にもな言葉で説明できるような浅い恋はしていないつもりなの」


全身全霊、全力でこの恋をしてる。

「秋斗くんに恋してるのは本能のようなものだよ」


そのくらい
ガチ恋なんですよ!


「…本能?」

「そっす!」

「本能ねえ…佐倉さんって本当変わってるよね」

「フッおだてても福耳しか出ませんよ」

「あ、別に褒めてないんで」