勝ったぁー!

全学年からのものすごい歓声。
秋斗くんがチームメイトに肩を組まれている。


すごかった!

最後の最後でスリーポイントが決まった!
まるで漫画みたい!

得点板の枠組みを握りしめて思わず表情が緩む。



「これで球技大会の全競技が終了しました。閉会式を執り行います。クラスごとに整列してください」

アナウンスが流れてぞろぞろと体育館内の生徒が移動を始める。

得点板片付けないと…



「佐倉さん保健室」

霜崎くんがホイッスルを首から下げたまま走ってきた。

「これ片してから…」

「結構出てるよ血」


え、わ
ほんとだ。思ったより出てた。

腕から肘にかけて流れている。


「いいから行くよ」

「わっ」

霜崎くんが私の腕を掴む。

「見てて痛々しいんだよ」

「ご、ごめん」



別に歩けるんだけどな。

なんて思いながら、何故か掴まれた腕に引かれて進む。


しかし前を歩く霜崎くんが急に止まり、思わずその背中にぶつかった。


「ちょっと急に止まらないでよ」

「……」



「どうしたの」