まあたしかに秋斗くん達が決勝に進めば、審判をする私はその試合を見れるわけだけど

まず次の試合に勝って、その次の準決勝にも勝たなきゃいけない。なかなか厳しそうだ。



「佐倉さーん!」

「あ、霜崎くん」

「お疲れ!めっちゃすごいじゃん!見入っちゃったよ」

「えへへーん」

霜崎くんが興奮気味に褒めてくれる。


「はいこれ」

え?

差し出されたのはスポーツドリンク。


「差し入れ。俺から」

えっ

「いいの?」

「おう」

えー!

「やったー!気が効くではないかぁ!」

「え?もったいなくて飲めないって?」

「全くそんなことないのでいただきまーす」


「次の審判終わったらまた試合でしょ?」

「うん!」

「頑張れよ」

「うん!これのおかげで頑張れる!」

もらったスポーツドリンクをほっぺにつけて笑う。

「ありがとう!」

「…おう」



さあいい波乗って行くわよー!

今日調子いいし!!
きっと次も勝てるっしょ!



ーーーー



プピィィィーーッ!

「3年2組の勝利!」


強…
え、強すぎん?

3年生つっよ…

ぜぇぜぇと肩で息をしながら二点しか取れなかった得点板を見る。


「さすが三年生…」
「あのクラスエースいるから」
「美桜ちゃんよくサーブ取れたよ…」

腕ごと吹っ飛んだかと思うほど威力やばかったけどね。


ということで、2回戦目でめちゃめちゃに強い先輩のクラスと当たってしまい見事ぼろ負けしました。

まあ二点も取ったんだし頑張ったでしょう。