「じゃあ恋愛上級者の俺が君の悩みを聞いてあげようか?」

「結構ですー。さあ早く審判行くぜよ」

「んー佐倉さんって見かけによらずガード硬いなぁ」


ぶつぶつ言っている霜崎くんを背に体育館を出る。

相変わらずスッキリしない脳内と戦いながら
なんとか目の前の球技大会の仕事に集中したいところですが…



ー『危機感持たなきゃ』

ー『俺の計算が狂うんだけどなぁ』



理解不能な言葉達。

それから
びっくりするほど近くにあった好きな人の顔と声と香り。

思い出すだけで心臓が派手に鳴く。


秋斗くんは一体何を考えているんだろう。

私のことをどう思っているのだろう。


知りたいことはたくさんあるのに

分からないことばかりだ。