ふぅなんか疲れた。


「美桜ちゃん!?」

え?

「霜崎くんと仲良いの!?」

そう言って突っ込んできたのはクラスの女子達。


「いいなー!羨ましい!あんなイケメンとお近づきになりたい!」
「どうやって仲良くなったの!?」
「めっちゃ楽しそうだったじゃん2人!」

え、えぇ…

「いや、委員会が一緒なだけだよ」

あの男、女の子には基本的に距離近いよ。
そう言う噂よく聞くし。


「霜崎くん人気だし優しいけど、なかなか話す機会ないからさぁ!」
「女の子とは一定の距離保ってるし、チャラそうに見えて案外ガード固いんだよね」
「そうそう、だから羨ましい!」

えぇ

「揶揄われてるだけだよ」

あやつのどこがモテるのか…
顔か?顔なのか?



「いつまで騒いでるー!もう開会式始まるぞー!体育館に移動しろー!」

いつのまにか教室にいた幸薄そうな担任がそんな声をかける。

ゾロゾロと移動し始めるクラスメイト。


私は多分もう教室に戻ってくる余裕ないだろうから荷物全部持って行こう。

空になっていく教室で荷物をまとめる。
水筒と進行表と…あとタオルと…


「佐倉」

へ?

「あれ、秋斗くん?」


もう出て行ったはずの秋斗くんがドアのところに立っていた。