「あ、おかえり佐倉」

「ただいま…」

「どうしたの」

教室に戻るなりブルーになっている私を見て秋斗くんが首を傾げる。


「バスケの決勝戦の審判になっちゃった」

「え、佐倉が?」

「うん…霜崎くんと一緒に」

「うわーそれは怖いね」

そうなのよ。
去年の球技大会見てるからわかるけど。


「決勝戦って大体三年同士のガチバトルだから超怖いんだよね」

ブチギレられたらどうしよう。
去年めっちゃ怖かったもん。

「あー憂鬱だよ」



「それ以外はバスケの審判しないの?」

「バスケは決勝戦だけであとはバレーと卓球メインでやるって感じ」

「大変だね」

うーん。


「だから自分のクラスの試合もあんまり見れないんだよね」

秋斗くんのバスケ見たかったのに…


「あ、そうなの?見れないんだ」

「見たかったなぁ」

「…決勝ねぇ」



秋斗くんの声が少し低くなった。


「俺は佐倉のバレー見に行くよ」



「ほんと!?」

「うん」


おお!

「私頑張るね!!」

秋斗くんにいいところを見せよう!


ガッツポーズをして笑って見せた。