「さあさあ帰りましょう美桜殿。秋野郎は放っておきましょう」

「2人とも仲良くすればいいのに」


「「絶対無理」」


なんだかんだ気が合うと思ってるのは私だけのようです。



「行くぞ美桜」

「うん、またね秋斗くん」

「おう、入学式でな」


冬紀くんが不満そうに口を尖らせている。



「秋斗ー!」

あ、竹田く…

「駿」

駿…?
竹田くんって駿って言うの?
秋斗くん名前で呼んでたんだ…意外。


「遊び行こうぜ」

「だるい」

「とか言って〜来るくせに〜」

「どこ」

「どこがいい?」

「駿の家」

「またー?別にいいけど」

テンションの高い竹田くんに連れられてだるそうに去っていく秋斗くん。


「あの2人めちゃめちゃ仲良いよな…」

「秋斗くんがあそこまで心開いてるの珍しいよね」

「あそこがくっつけば美桜は安泰なのになぁ」

「こーらやめなさい冬紀」



でも
保身のために猫を被ってるんだと言った秋斗くんに
ああやって心を開ける人ができたんだと思うと、歳月を感じる。

私の好きだった人だ。
ちゃんと幸せになってほしい。

頼んだぞ!竹田駿!