「…恋がこんなにキラキラしてるなんて、美桜に出会わなければ知らなかった」


「…じゃあこれからは知らないことだらけだね」



放課後の校庭

遠く聞こえる運動部の声

秋の終わりを告げる冬の夕日。



「冬紀くん」


今度は私から、彼のブレザーの胸元を引き寄せて口付ける。


「私と一緒に恋愛しよう」


冬紀くんはまん丸にしていた目をふと柔らかくして笑った。



「ああ。喜んで」



風に吹かれて粉々になった落ち葉が舞った。