「私、冬紀くんが好き」


きっと…ずいぶん前から貴方に恋してた。


「大好き」


貴方の告白、とっても嬉しかった。



「私、冬紀くんに本能で恋してる」



緩やかな風が私の髪を揺らした。

冬の始まりを告げる、そんな冷たい風。



「……嘘だろ」

「嘘じゃないよ」

「だって……え…萩原…が…」

「私の秋斗くんへの気持ちを上書きしたのは冬紀くんでしょ」

「………ほんとに…言ってんの?」

「超本気。超超本気。冬紀くんのことが、大好き」


冬紀くんの目がまん丸になっている。




「……美桜サン」


しばらくして冬紀くんが俯き、小さく私の名前を呼ぶ。
前髪に隠れて目が見えない。


「なんでしょうか冬紀サン」

「…抱きしめても良かですか」

「!」


……ふふ


「良かです!」


そう言って私から冬紀くんに抱きついた。

すぐに背中に回る彼の手。

彼の肩に顔を埋めた。



「待たせてごめんね冬紀くん」

「…焦らしやがったなこのヤロー」

「許しておくんなまし」

「しょうがないから……許してあげる!」


冬紀くんの声は上擦っていて、なんだか私まで照れ臭くなるほど、嬉しい気持ちが伝わった。