予鈴のチャイムが鳴り終わると同時に、我が教室2年1組の扉を開けた。



既に着席していたクラスメイト達の痛い視線。
そして呆れた先生のため息。


「ギリギリ、セーフ…ですよね!」

息切れしたままそう尋ねる。

「はぁ…またか…残念ながらセーフだ」


うしゃあ!
はっはー!叱れなくて残念だったな担任!


「もっと余裕持って来い」

青春のせいなんです…っ



クラスメイトに笑われながら窓際から二列目一番後ろの自分の席へと向かう。


「おはよ佐倉」


と窓際一番後ろから優しい低音ボイスが耳を撫でる。


隣の席で

クラスメイトにつられてクスッと笑いながら

私の名前を呼ぶ人。


「秋斗くん。おはよう」



「相変わらず髪ボサボサだな」

「こ、これはファッションだから」

「ざんしーん」

「最先端なの!」


「ふふ、かわいいけど」

う…

「また簡単にそんなことを…」

「本心だよ」


秋斗くんがいたずらに笑った。