帰宅後


この文化祭でいろんなことがありすぎた…

情報量過多…もうカッタカタ…


ベットに寝転んで、ぶはぁぁぁと盛大なため息をつく。



『俺佐倉のこと好きだから』

『俺は、美桜のことがすげぇ好き』


2人から告げられた本心。



ずっと好きだった人、秋斗くん。

いつからこの恋が始まったのか…なんでだったのか…
明確なことはあやふやなまま。


それでも私は確かに恋をしていた。

秋斗くんの恋人になりたいと本気で思った。

彼の一挙一動に胸が泣き、踊り、何度も自覚した。


好きな人に好きだと言われたんだ。

喜ぶべきだし、返事なんて決まってるはずだ。


『私もずっと好きでした』


その一言が言えれば、私の壮大な恋物語は美しくゴールできた。



優しい秋斗くんではない、本当の秋斗くん。

私は自分が身構えていたより、ずっと簡単に彼の本性を受け入れられた。


秋斗くんに対する好意が劣ることはなかった。



だったら答えなんて決まってるじゃないか。

私もだって言えばいい。



でもそれができないのは…