なんとなく気まずいまま2人で教室に戻ると…


「め、芽依ちゃん…?」


教卓の前で仁王立ちした芽依ちゃんと、その前で正座させられている例の3人の先輩…そしてなぜか山崎先輩がいた。


な、なぜ…
4人も正座してるの…

山崎先輩に至っては本当になぜ。



「美桜…話は聞いたわ…このクズどもにいじめられたそうね」

芽依ちゃんの低い声が響く。


正座している3人の女の先輩は涙目だ。
1人に至ってはヒックヒックとガチ泣きしている。


「芽依ちゃ…な、何してるの?」

「何って?決まってるじゃない。灸を据えたのよ。美桜をいじめるなんて私に殺して欲しいと言ってるようなものよ」

意味がわからないよ…

芽依ちゃんの冷め切った目が3人を捉えている。



私の記憶違いでなければあなた私と同い年よね?
正座してるの先輩よね?

どういう経緯でどうやってこんな状態にさせたのかものすごく気になるんだけど…

なんで先輩泣いてんの…あなた何したの…



「美桜」

「は、はい」

「怪我は?」


あーえっと…

「突き飛ばされた時にちょっと擦りむいた」

本当のことだから言うけど…


「そう……じゃあ倍返しってことで骨折くらいで手を打とうしかしら」


「ひいっ」
「いやぁ!」
「ご、ごべんなざいぃぃ」


め、芽依ちゃん…