「あー噂をすればなんとやらって奴じゃん?」

え?

聞き慣れない声が俺らの間に流れていた悪すぎる空気を壊した。



「えぇ…なんでそんな怖い顔してるの」




「美桜!」
「佐倉!」


探していた人が相変わらず可愛い虎の格好で居る。

やっと会えた。



俺らに声をかけたのは美桜…の隣にいるなんだかだるそうなギャル。


「千夏?なんで佐倉と?」

萩原が首を傾げた。


千夏…って美桜と花火大会行った子だよな。
ええ…こんなギャルだったの?


「美桜ちゃんが相談したいって言うから話聞いてた。ピュアピュア美桜ちゃんの超可愛い相談でした」

なっ!
う、羨ましい!

「もーやめてよ千夏ちゃん!」



「あー霜崎くんだー。え、かっこいいじゃん。美桜ちゃんまじヒロインじゃん」

ギャルが俺に近づいて顔をずいと見上げる。
思わず後ずさる。

俺この人と面識あったっけ。


「あ、えっと初めまして。霜崎です」

「初めましてー浜辺千夏でーす」


萩原の友達…


油断ならない相手。

萩原の味方かもしれない。