文化祭2日目。
登校を終えてすぐ、俺は美桜のクラスへ向かう。
いいよな萩原は。
同じクラスだからわざわざ探しにいかなくたって毎日会える。
俺は探さないと会えないんだぞ。
しかも美桜はまだ萩原が好きだ。
俺不利すぎる…
悔しいけど萩原はかっこいい。
少女漫画に出てくる典型的なイケメンみたいな顔立ちしてる。
でもおそらくあいつ性格クソだからな?
多分性格うんこだぞ。
美桜と話す時以外、目死んでるからね?
死んだ魚みたいな目してるよ?
どうせ他の女子のこと、喋るジャガイモか発情した猿としか思ってないから。名前も覚えてないだろうから。
絶対やめた方がいいよ。
秒で喰われるぞ。
そんなことを考えながら1組へと向かう。
「あれー?冬紀くんじゃん!」
1組の教室を覗くと何人かの女子が俺を見た。
「やっほー!どうしたの?」
「わあ!冬紀くんだよ!」
「かっこいい」
どうもどうも。
俺かっこいいらしいわ。えへ。
「佐倉美桜いる?」
「美桜ちゃん?ちょっと前に出て行ったよ?」
げ。すれ違ったか。
ちらっと教室を見渡す。
……
「萩原って…来てる?」
「秋斗くん?まだ来てないと思うよ?」
…そうか。
「わかった。ありがとう」
「ええー!行っちゃうのー?」
「ごめん」
中身のない謝罪を飛ばして1組の教室を後にする。