文化祭2日目。

登校を終えても佐倉がいなかったので探しに行く。



「あ!萩原ー!」



朝から佐倉に会えずイライラしていた俺を呼ぶクラスメイトの声。


「あー竹山くん」

「竹田っす」

もう改名しろ。
俺が覚えた名前に変えろお前。だりぃから。


「なに?」

「今日呼び込み係1人になるかもってさっき女子達が言ってたよ」

え、なんで。
佐倉は?


「昨日佐倉目当てで来たお客が案外多かったんだってさ。だから今日は佐倉中シフトだって」

は、何それ。
ぶっ飛ばすぞ。


佐倉が呼び込みだから一緒にしたんだよ。
あいつがいなけりゃ意味がない。

佐倉が中なら俺も中にする。



「昨日呼び込みやったから今日は俺中やるよ。中の方が大変でしょ?なんか楽してるみたいで申し訳ないし」

微塵も思ってないけど。
こういう言い回ししておけばそれっぽいだろ。


「え?あーそうなの?でも確かに萩原が中にいた方がお客来そうだしな…」

だろ?

だって俺かっこいいもん。
着こなしちゃうもん、あの変な服。


「竹下くん呼び込みやりなよ。楽しいよ?外にいると色々見えるし」

「まじ?じゃあやろっかな!あと竹田っす」

「ごめんごめん竹上くん」

「ねーわざとやってるでしょ」