ーーーー


「なんか、げっそりしてるね」

…お、おかげさまで。



交代の時間が来たので私の隣を歩くのは秋斗くんから冬紀くんにチェンジした。

俺様秋斗くんのことだから、すんなり交代してくれるとは思わなかったけど
これ以上一緒にいると何するかわかんないからと言って交代してくれた。


何するかわかんないってなに…
恐ろしいことを言う。



「美桜、今度は俺の番でしょ?萩原のことは忘れて」

冬紀くんがふっと優しく笑う。


…この人の隣は安心する。
なんだか…妙に落ち着く。



「美桜、あっち行こ。人が少ない」

「えっ!人が少ないところ行ってどうするのヨ!」

「ぐへへー」

「ひーお助けー」

揶揄うように無邪気に笑う。


「冗談だよ、何もしないっての」

「ふふ、うん、行こ」

……いつもの調子だ。



人通りが少なくなってきた時、そっと私の手に冬紀くんの手が触れた。

思わずびくりと肩を揺らすと


「いや?」

と、静かに聞く。


「…冬紀くんは…確認するんだね」

「……萩原と比べるなよ」

「あ、ご、ごめん」