…というわけで。
「後夜祭つってもキャンプファイヤーやってるだけだな」
隣を歩く秋斗くん。
「はぁ…」
芽依ちゃんの元から独り立ちし、秋斗くんと冬紀くんとちゃんと向き合うことにした私。
いや向き合うつもりではあったよ?
でもさー!タイミングってもんがあんじゃん!
後夜祭じゃん!一大イベントじゃん!
楽しみたかったのに!
3人で一緒にいても確実に喧嘩になる未来が見えたので、冬紀くんの提案で交代制になった。
そして現在先行、秋斗くんの番である。
「佐倉」
「…なに?」
「なんでそんな変な顔してんの?」
秋斗くんが私の顔を覗き込む。
「情報量が多すぎて整理できてないから」
「へー。じゃあもっと増やしてやるよ」
は?
!!?
「あ、ああ秋斗くん!?」
秋斗くんが私の手を握った。
「なんだよ。嫌がる事じゃないだろ?初めてでもないし」
だだだからと言って!
ここは学校よ!?
「佐倉は俺が好きなんでしょ?だったら問題ない」
…は
え、は、なっ、えっ!?
サクラハ…オレガスキナンデショ?
って言った!?
「違った?」
「ちがっ…いやっ、あのっ…なんでっ」
「あれで隠せてるつもりだったの?」
……あが…
いや…
おっしゃる通りですよね。