お互いの存在に今気づいたのか
二人とも互いを認識して分かりやすく嫌そうな顔になる。


「なんだよお前」

「そっちこそ、俺は佐倉に用があんだよ」

「俺だって美桜に用がある」

「しらねぇよ消えろ」


秋斗くん…もうなんか知らない人なんだけど
『問題のない』人格はどこに置いてきたのよ…



鋭い目を冬紀くんに向けて、その名残りあるまま私を見る秋斗くん。
思わず背筋がピンとなる。


「佐倉、俺らのクラスあっちに集まってる。行くよ」

と、秋斗くん。

「え、そうなの?」


「別に今はクラスで集まる必要ないはずだけど」

と、冬紀くん。

「え、あ、そうなの?」

どっち!?


「黙ってろよ外野」

「うるせぇ腹黒」



ああ!もう!!

「NO!喧嘩NO!」

二人の間に割って入る。

「二人とも何の用なの!」



「「美桜と佐倉一緒に迎えいた来ただけったから」」


全く同時に口を開く2人。

な、なにって?
同時に喋らないでくれたまえ!



ため息をついて冬紀くんが落ち着いた声を出す。

「俺は美桜と一緒にいたかったから」


う、当然のように何を言ってるんだ…

昼間に抱きしめられたことが蘇り顔が熱をもつ。



チッと舌打ちをして秋斗くんが不機嫌な声を出す

「佐倉を迎えに来ただけ」


なっ!同じく当然のように言いやがるが…

問答無用で連れて行くつもりだなこの人は。