なんか今日1日で秋斗くんとの関係がものすごく変わった気がするんだけど。


あの人もう素だよね…
王子キャラどっか行ったよね…

秋斗くん…もはや魔王だよ
王子じゃなくて俺様だよ…



愕然としている私の頭にポンと手が乗る。


「大丈夫か?」

「…あ、うん」

冬紀くんが心配そうに私を見ている。

「何があったのかは聞かないでおこうか」

…優しい。


「…ありがとう。でもね、これだけは本当だよ。私は冬紀くんのところに行こうとしてた」

止められてたけど。


「え…」

「逃げてごめん。追いかけてくれてありがとう」



冬紀くんは優しい。

きっと当然のように、私にこんなに優しく寄り添ってくれる人なんて…いないだろうな。



「………あー…ミオさん」



「なんでしょうかフユキさん」


「抱きしめても良かですか」

……え


思わず冬紀くんを見上げると顔を片手で覆っていた。
赤くなっている耳。小刻みに震える瞳。
彼の熱と緊張が伝わる。



許可…取るんだ。

秋斗くんはうざいとか言いながら無理やりだったのに…


…何かわかるかな。
いやそれよりも…

別に構わないと思ってる私がいる。



「ここでOKを出したら期待しちゃいますか?」

「……しないように努力します」


……


「……良かです」