「どうした?そんなに慌てて」




「佐倉?」




「…なにかあった?」

………



え、なんて言えばいいのこういう時。

やばいシンプルにわからない。

誤魔化すべき?
正直に言うべき?
あ、逃げるべき?


どうしよう
少女漫画とかだったらどうすんのこれ。教科書くれ。



「佐倉?」

「えっと…な、なんでもない」


▷佐倉美桜の誤魔化す!


「俺にはそうは見えないけど」


▷効果はないようだ!


「なんでもないの!」


▷もう一度誤魔化す!


「待てって」


▷効果はないようだ!



腕を掴まれる。

「何かあったんだろ?霜崎と」



「言えって、言うまで離さないから」


……へ?

な、なに!?
どしたの!?

秋斗くんのキャラじゃない!



「言えよ」

「う、うー!」

謎の呻き声をあげる私。


「ちょっと今余裕ないんだわ俺」

え?

「だから悪いけど」

は、へ?


ぐんっと腕を引かれた私はバランスを崩す。

立て直す間もなく、秋斗くんに引っ張られてつんのめりながら歩く。


「秋斗くん!?どこ行くの!?」

「……」


せっせめて何か言ってぇぇ!