「美桜ー!お迎えよー!」

おっ大きな声で呼ばないでよ!



約束の時間、14時。
冬紀くんのお迎えが来た。


廊下へ駆け足で向かう途中
入り口にもたれかかっていた秋斗くんと目が合って少し微笑まれる。

その笑みになんの意味があるのかはわからないけど
反応を返す前に女の子に呼ばれて振り向いてしまった。



「時間合わせてくれたんだ」

「一緒に回ろうって言ったじゃん」

「俺の告白考えてくれるならとも言ったよ」


いつもより髪の毛が少し整っている冬紀くんが優しく笑う。

不覚にもキュンとする。


「考えてくれるんだ?」

「か、考えることはしてみようと思ったの!」


イェスもノーも決まってないわ!


「じゃあいい返事がもらえるように今日は頑張るよ」


う…
こいつ
本気で落としに来てる…

見たこともないような色っぽい表情に思わず目を逸らした。



「どっかの腹黒野郎には渡さないし」



「なにって?」

「…こっちの話」


ん、デジャヴ。