有無を言う間もなく、ひらりと去ってしまった背中を真っ赤な顔のまま見つめる。


……

う、うそやん。

あの冬紀くんが私を好き?

なんで!
どういう経緯でそう至ったの?


私の気持ちが路頭に迷い始めていたのは
本当にあの人のせいだったと言うの!?



『美桜のことがすげぇ好き』



心臓が…痛い。



でもっでも私が好きなのは秋斗くんだもん!
ずっと片想いしてるんだもん!


……ああああっ!
もう!!

ぐっちゃぐちゃだよ!

自分でも自分がわからないよ!



秋斗くんのこととか冬紀くんのこととか私のこととか!

私の脳みそじゃ処理しきれないからぁ!