何かの間違いでしょー!
といつものノリではとても言えない。

そんな甘苦しい空気。


文字通り唖然とする。

ドキドキする。


冬紀くんが、私を好き…



「あ…えと」

「あ、言っとくけど返事とかいらないから」

…へ?


「美桜はまだ萩原が好きなんだろ?」

そ、それは…まあ

「今はそれでいい」

今は?


「でも美桜の気持ちが俺の願い通り傾き始めてるみたいだから、もう加減しないことにした」

「冬紀く…」

「これから覚悟してくださいね」

冬紀くんはまだ熱を持った頬を片手の甲で隠しながら、ギラっと光る目を私に向けた。



「大丈夫。絶対萩原に対する不安なんて消してやるから」

私の手を取る。
ぐんと体が引っ張られて一緒に立ち上がる。


「俺の気持ちお分かりですか?」

えと…

「お分かり…です」

「それはよかった」

冬紀くんはフッと照れくさそうに笑った。



「もし少しでも俺のことを考えてくれるっていうなら、今日2時に迎えに行くから…俺と一緒に文化祭まわろ」

へっ

「それじゃあ。他所の男に気をつけてね、可愛い虎さん」


え、えええええ!