ズンズン進む秋斗くんに引きずられるように続く。

こんな服で出歩いたら悪目立ちするかと思ったけど
今日は文化祭なだけあり、変な服を着た人が多いのであまり目立たなかったのは不幸中の幸い。



が、しかし。


「…美桜?」




秋斗くんの向こう側、ちょうど鉢合わせるように現れたのは冬紀くんだった。


「…え、美桜、なっその格好…」

冬紀くんが珍しく慌てふためいている。


「てか…なんで萩原と…」

「あ、えと…」


なぜだか冬紀くんを見た瞬間、急に恥ずかしくなってきてしまった。

まあ秋斗くんに強引に手を引かれているこの状況はかなり滑稽だ。
秋斗くんがどんな表情をしているのかは見えないが。



「あの冬紀く…わっ!?」

と言いかけた私は、ぐんっとさらに秋斗くんに引き寄せられる。


「後にしろ霜崎、今忙しい」

「は?」

秋斗くんの低い声、そしてそのまま冬紀くんの横を通り過ぎた。


「あ、おい!待てよ!萩原!」