と、
思わず竹田くんから目を逸らした私は、前方にいた秋斗くんとバチっと目が合う。


「あ、秋斗くん!おはよう」

「……おは、よ」



秋斗くんは少しだけ口を開けてこちらを凝視したまま固まっている。


「…衣装、着たんだ」

「そうだよ!虎だよ!」

「…虎だね」

可愛いと思ってくれてるかな…
変じゃないかな…

しんとしていてなんだか気まずくなってくる。



「…秋斗くんもきがえ…っ!?」

間が持たずそう言いかけた瞬間、腕をぐんっと引き寄せられた。

バランスを崩して秋斗くんにもたれかかる。


「へ!?」

「ちょっと来て」

秋斗くんの感情が読めない表情。
心なしかいつもより低い声。



訳がわからないまま秋斗くんに腕を引かれて教室を出る。


な、なに!?
なんなのおおお!?