と、いうわけで!

思いがけず秋斗くんと2人で買い出しイベント発生!

私ツイてる!つきすぎてる!
ラッキーガール!



「佐倉上機嫌だね」

隣を歩く秋斗くんが笑いをこぼす。

「えっ?あ、いやだって文化祭準備楽しくて」

あ、危ない危ない。
好きバレしてしまう…


買い出しに行くのは最寄りのスーパー。
歩いて10分もしない。

ちぇー
もう少し遠かったらよかったのにー



「確かに盛り上がってるよね。俺はちょっと疲れた」

トホホと笑う秋斗くん。

「大人気だったもんね!」

「あはは、なんでだろうね」

勘弁してほしいと言うように眉を顰める。


なんでってそりゃあ

「秋斗くん、王子様みたいに紳士だから」

みんなの憧れの的だよ。


「紳士?」

「そう!いつも誰にでも優しい素敵な人」

みんなもそう言ってるよ。



「はは、紳士なんかじゃないよ。取り繕ってるだけ」

え?

「ずっとそう。昔からすぐ猫被りたがるんだ。保身のために」


そう呟いた秋斗くんの目は、珍しく少し陰っていて
ふぅと何かを吐き出すように長いため息をついた。


新鮮な秋斗くん。

どうしたんだろう…

学校から出て、目の少ない外にいることで解放的になってるんだろうか。