「じゃあね佐倉。また後で」

秋斗くんが私に向き直って笑う。

「うん!リレー頑張ってね!応援してるよ!」

「ふふ、ありがとう」

イケメンやなぁ
くるりと向きを変えて去っていく背中を見送る。



「おい」



「俺も応援しろ」

冬紀くんが私の頭の上に肘を乗せる。


「なんでよー他団じゃん」

「さっき一緒に走ってやったからいいだろ」


ふふ

「冗談だよ!頑張れ冬紀くん!」

「…ん」

クールに笑って去っていく冬紀くん。

不覚にもキュンと鳴く心臓。


なんか…
私の周りの男子って顔面偏差値高くない?



「あ、佐倉。何ぼおっとしてんの?」

おっほほー!
顔面偏差値下げてくれる人が来た(とても失礼)

「尾佐奈ー!」


「お疲れー。なあ借り物競走で一緒に走ってたやつって彼氏?」

「違うよ」

「あ、やっぱ?俺のクラスの奴らめっちゃ騒いでるぜ?誤解は解いておけよー」


ぐぬ…
やはり噂になってしまうのか。

恐るべし…10代の伝達力…