「じゃあ私は委員会の方に…」

その場を去ろうとした私に

「美桜ー!」

声がかかる。


「あれ?冬紀くん」

さっき別れたばかりの同委員会メンバーが走ってくる。



「どしたの?さっきぶりね」

「リレーの仕事やってくれって先輩が」

え"

「なんで!」

めんどくさい!


「綱取りで仕事あるはずの先輩が怪我したんだって。手隙の2年で補えって言われた」

ええー!
応援に専念したかったのにぃ!


「手隙…私だけ?」

「今のところ見つかった手隙は美桜だけ」

ぐぬぬ…
もー!

「わかったよ」

「すまん!ありがと」



「仕事増えちゃったんだ」



「うん」

秋斗くんが落ち着いた声でそう言った。

すると今秋斗くんに気づいたのか、冬紀くんの表情が一瞬で曇った。



「君もリレー出るの?」

秋斗くんがにっこり笑って言う。

「…まあ」

「何番走者?」

「……アンカー」


なんで冬紀くんはそんなに不貞腐れてるのよ。

この2人いつも険悪なんだけど
仲悪いのかしら…


「へぇ…じゃあ俺と一緒だね」

お!秋斗くんアンカーなんだ!

「……あっそ。じゃあちょーどいいな」

え?
ちょうどいいの?

「…そうだね」

なんで?


ポカンとする私を横目に、にこやかだが確実に睨み合う2人。

リレーガチ勢なのかな…