「佐倉」
あ!
「秋斗くん!」
委員会のテントへ戻る途中、秋斗くんと鉢合わせた。
ラッキィィィ!
「お疲れ様。頑張ってたね」
「えへへありがとう」
「お題なんだったの?」
「同じ委員会の人だった!」
「あー…それであいつ」
「そう冬紀くん。まあ他団なんだけどね」
何気無く言ったつもりの私の言葉に何故かピクリと眉を動かす秋斗くん。
「冬紀…?」
ん?
「霜崎くんのことだよ」
「…いやそれはわかるんだけど…前からそうやって呼んでたっけ?」
いや
「さっき名前で呼べばいいって言ってくれたから」
中学、もしくは高校になると何故か名字呼びが定番になるよね。
これなんでなんだろう。
謎の習性だよね。
思春期ってやつ?
まあ秋斗くんは小学校から一緒だったから名前呼びが定着してるけども。
「…ふーん」
あ、そんなことより
「秋斗くん、もしかして出番次?」
「あーうん。クラス対抗リレー」
おお!
「頑張ってね!」
「ありがとう。見ててね」
「もちろん!」