「美桜ー!ファイトー!」

「芽依ちゃーん!頑張るー!」

さあさあそんなこんなで
借り物競走がやってまいりました!!


借り物といえど最近は借り人になってきている傾向がある。
まあその方が面白いからね。

『好きな人』とか来ちゃったらどうしよーきゃー!

ドキドキしながらレーンに並ぶ。



「位置についてー」

人間が唯一無心になる時って
この、よーいドンの直前の瞬間らしいよ。

「よーい、どん!」


一斉に走り出す。
私も走り出す。

走るのはそんな苦手ではない。
まあ元バリバリ運動部だしね。


かなり速いうちにお題の紙のところにたどり着く。

慎重に選ばねば。
と、思いつついちばん手前にあったのを選ぶ。


好きな人とかだったらどーしよっかなー♪



カサ

………


『同委員会メンバー』


……委員会…
つまらーん!


あははのうふふ青春イベントを想像していた私に突きつけられためちゃ普通の内容。

ちぇ


パッと思い浮かんだ霜崎冬紀殿。

違う団だけど走ってくれるかな。
まあ断られたら同じ団の誰か探すか。



委員会テントへ走る。


「美桜ー!」

お!

委員会テントへ向かう途中に自分のクラスのテントを通った。

芽依ちゃんの後ろに秋斗くんを発見。
私を見つけると軽く手を振ってくれた。


「美桜ー何借りてくのー?」

芽依ちゃんが大きく手を振りながら言う。

「霜崎くーん!」

霜崎くん借りるって変な感じだけど。


「がんばー!」

うぃー!