「体育委員大変だね」

テントへ戻る道を一緒に歩く。

私が必死で抱えていた石灰粉を、鞄でも持つみたいに軽々持ち上げる秋斗くん
に、きゅんデェス。


「体育祭っていうくらいだからね」

「にしても女の子にこれ運ばせるなんて」

"女子"じゃなくて"女の子"って言ってくれるところに謎に好感が持てる。

これ私だけかな…



「まあ霜崎くん石灰粉の場所知らないから仕方ないよ」

口から溢れた相方の名前にピクリと反応した秋斗くん。


「…霜崎ってやつと一緒なの?仕事」

ん?

「うん。基本的に全部一緒だよ」

「……全部」



「秋斗くん?」

「…ん、なんでもないよ」


なんだろ。
何か引っかかるのかな。

急に目の光がなくなった彼を見て首を傾げる。



すると

「佐倉さーん!」



お、噂をすればなんとやら。

前方から霜崎くんが走ってきた。