「そこの2年ー!」

「あ、はーい!」

先輩からそんな声がかかる。


「ごめん石灰持ってきて来んない?」

「じゃあ俺が…」

「私行きますー!」

あ、霜崎くんの声を遮ってしまった。
でも確か霜崎くん倉庫行ったことないでしょう。


「俺行くからいいよ。重いだろアレ」

「霜崎くん石灰の粉どこにあるか知ってるっけ?」

「あー…知らん」

私は去年も体育委員だったから詳しいのよ。


「私行ってくるから。アナウンスお願い」

「わかった。終わったらすぐ手伝いに行く」

ふふ、別に良いのに

「ありがとう」


駆け足でテントを出て倉庫に向かう。



えーと、石灰は…
あったあった。

石灰粉の袋を抱き抱える。

「うっ…重っ」


20キロって書いてある……お、重い。
お米と同じくらい…

引きずったら破れるのでなんとか持ち上げる…けど

「うう…おーもーいー!」

石灰粉に重心を持って行かれる。


やっとのことで倉庫から出たものの
バランスを崩してふらつく。

ひぃ
やばい転けちゃう!



「さーくら」




ふわりと何かが体を支えてくれる。


「あっ秋斗くん!!」


どこから現れたのか私の体を支えてくれたのは秋斗くんだった。


ぎゃああああ!
リアル王子様かよおおおお!!