「……死ぬほど焦った」

へ?

手を繋いで前を行く秋斗くんが、ポツリとそんなことを言った。


「…佐倉から連絡来た時、様子おかしいし、助けてなんて書いてあるし…頭真っ白になった」

秋斗くん…


「ちゃんと見てなくてごめん」

そんな

「私がぼーっとしてたからいけないんだよ。心配かけてごめんね」


「…ちゃんと手握っててね」

…っ

「うん」



あーやばい

胸が痛い。
痛くて苦しくて、締め付けられて、それでいて甘くって…


勘違いするな佐倉美桜。
秋田くんは私を好きじゃない。

そんなこととうにわかってるはずだ。


それなのに、融通の効かないこの胸で

ただただ
苦しい、甘い、と

身体中の細胞が、叫んでいるようだった。