!?
パシッと腕を掴まれる。
やっぱりお酒臭い…
酔ってるんだ。
ガクガクと足が震えはじめる。
「いやっ!!」
バッと思い切り腕を振り払う。
「痛ってぇぇ。腕折れちゃうわー」
「女の子が乱暴しちゃだめだろー?」
気味の悪い笑顔を向ける二人組。
どうしよう…
怖い怖い怖い…
逃げなきゃ!
くるっと向きを変えて走り出そうとする。
しかし
ぐんっ
「きゃあ!」
「逃げんなよー」
襟を掴まれて後ろに引かれ、今度は胸ぐらを引っ張られる。
浴衣が派手に着崩れる。
「おー?結構いい身体してんじゃん」
!
やだ!
「いやだ!!」
「静かにしよーなー」
伸びてくる腕。
絶望と恐怖で血の気が引いた。
その時
「おい」
誰かの低い声。
そして
ドコォ!
私の腕を掴んでいた男の人が吹っ飛んだ。
…へ?
秋斗くん?
尻餅をついた私の前に立った人物の背中を見た。
しかし
その背中は秋斗くんではなかった。
「…霜崎…くん?」