とは言っても、どうしても視界に入ってしまう雫。
髪………綺麗だな………
あまり気にして無かった雫の一面がどんどん分かっていく。
少し茶色の髪は陽に照らされ少し明るくなって、
癖っ毛もなくサラサラストレートな髪に触れたくなった俺は、
サラサラッ。
無意識に雫の髪を触っていた。
それに気づいてすぐに、また後ろを向いて、
「あのね、いくら暇だからって前の人の髪を触る人がいる?」
なんて言って、少し怒っている。
流石にやりすぎたかなとは思ったけど、前の人の……
…それは違う、雫だからだよ…
そう思っても言えなかった。